日陰なりの望み
暖かな家族にも日陰はあると私は思う。
それでも他処の日差しに目が行くのは仕方のないことだとも思う。
私はその日差しに照らされて新たな温もりを知った。
幸運なことに今もその恩恵を受けている。
私は暖かな家族に出会えてよかったと心からそう感じる。
しかしふと気がつけば、自分には持ち合わせていない温もりがやけに暑く感じてしまう。
日陰側で生きてきた私にはあまりにも暑すぎる、と
そんな捻くれた考えを持ち合わせてしまった人間なのだ、私というものは。
愚かだと思う。不束者だと思う。
それでも生きていれば、
日陰は日陰なりに日差しを望むものだと
いつかは心から温もりを感じられますように。
そして日向に出る勇気を持てますように。